
東郷克彦
薬学博士・MBA・薬剤師免許保持。
岡山大学大学院修了後、製薬会社で薬物動態研究に従事し、ヒト細胞研究を推進。大阪大学大学院にて薬物代謝酵素の遺伝子変異研究で博士号取得。
研究と経営の融合に挑み、科学の成果を社会価値へつなげることに情熱を注ぐ。
座右の銘は「情けは人の為ならず」。
筋トレやダイエットのサポートとして、プロテインを日常的に取り入れている方は多いでしょう。しかし「プロテインを飲み始めてから体重が増えた」「プロテインって実際どのくらいカロリーがあるの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
プロテインは手軽にたんぱく質を補給できる優れた栄養補助食品ですが、製品によってカロリーが異なり、飲み方を誤ると意図せず体重増加につながることもあります。
本記事では、プロテイン1杯あたりのカロリーを種類別に詳しく解説するとともに、他の食品との比較や太る原因、カロリーを抑えた正しい飲み方までわかりやすく紹介します。プロテインを賢く活用して、理想のカラダづくりを目指しましょう。

東郷克彦
薬学博士・MBA・薬剤師免許保持。
岡山大学大学院修了後、製薬会社で薬物動態研究に従事し、ヒト細胞研究を推進。大阪大学大学院にて薬物代謝酵素の遺伝子変異研究で博士号取得。
研究と経営の融合に挑み、科学の成果を社会価値へつなげることに情熱を注ぐ。
座右の銘は「情けは人の為ならず」。
プロテイン1杯のカロリーは、使用する原料や製品によって異なります。プロテイン製品には主に3つの種類があり、それぞれのカロリーの目安は以下のとおりです。
それぞれのカロリーの特徴や違いについて、詳しく見ていきましょう。
ホエイプロテインは牛乳を原料とするプロテインで、一般的に、1杯(約25〜30g)あたりのカロリーは100〜115kcalほどです。ホエイプロテインの原料として広く用いられるWPCはカゼインやソイのたんぱく質原料と比べて脂質含量が高い傾向にあるため、両者と比べてカロリーが高くなる傾向にあります。吸収が比較的速く、トレーニング後の栄養補給に向いています。
また、必須アミノ酸である「ロイシン」を豊富に含んでいる点も特徴で、ロイシンはカラダづくりに深く関わる重要なアミノ酸とされています。
カゼインプロテインは、一般的に1杯あたり約90〜105kcalと比較的控えめなカロリーで、ホエイと同じく牛乳を原料としています。胃の中でゆっくりと消化・吸収されるのが特徴で、吸収には約7〜8時間かかるとされているため、運動後だけでなく、間食時や就寝前の栄養補給にもおすすめです。
ホエイプロテインに比べると溶けにくく、やや粘度が高くなりやすいため、水の量を調整しながら飲みやすい濃度を探してみましょう。
ソイプロテインは一般的に1杯あたり約75〜110kcalと、3種類のなかでカロリーの幅が広い傾向があります。ソイプロテインはダイエッター向け、アスリート向けなど多様な製品コンセプトがあり、一杯当たりのたんぱく質にばらつきがあることが一因です。大豆を原料とした植物性プロテインで、牛乳由来の乳糖を含まないため、牛乳を飲むとお腹が緩くなりやすい方でも取り入れやすい点が特徴です。ただし、ソイプロテインでも牛乳由来の原料を使用している場合もあるので、気になる方は原材料表示を確認しましょう。
また、動物性原料を避けているヴィーガンやベジタリアンの方にも選ばれています。ホエイと比べると吸収速度はやや緩やかで、製品によってカロリーや栄養成分が異なるため、購入前に成分表示を確認するようにしましょう。
プロテインのカロリーは、普段の食事と比べて高いのか低いのか、気になる方もいるのではないでしょうか。ここでは、身近な食品と比較しながら確認してみましょう。
それぞれ具体的な数値をもとに見ていきましょう。
肉類でたんぱく質を摂る場合、部位によってカロリーが大きく変わります。可食部100g当たりの数値を以下にまとめました。
| 食品名 | エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 脂質(g) |
|---|---|---|---|
| 鶏むね肉(若どり・皮なし・生) | 105 | 23.3 | 1.9 |
| 鶏ささみ(生) | 98 | 23.9 | 0.8 |
| 豚ロース(大型種・赤肉・生) | 143 | 22.7 | 5.6 |
| 牛もも(乳用肥育・赤肉・生) | 140 | 21.9 | 4.9 |
| 牛サーロイン(乳用肥育・赤肉・生) | 177 | 21.1 | 9.1 |
鶏むね肉や鶏ささみは、プロテイン1杯(100〜115kcal)と同等か低いカロリーでたんぱく質を摂れます。ただし、これらは生の状態での数値です。焼く・炒めるなど油を使う調理をするとカロリーが加わるため、調理法によって実際の摂取量は変わります。
魚類はたんぱく質を含む食品ですが、種類によってカロリーに差があります。可食部100g当たりの数値を以下にまとめました。
| 食品名 | エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 脂質(g) |
|---|---|---|---|
| まあじ(皮つき・生) | 126 | 19.7 | 4.5 |
| まいわし(生) | 169 | 19.2 | 9.2 |
| まさば(生) | 247 | 20.6 | 16.8 |
| まだい(養殖・皮なし・生) | 160 | 20.9 | 9.4 |
| しろさけ(生) | 133 | 22.3 | 4.1 |
まあじやしろさけはプロテイン1杯と近いカロリー帯で、比較的効率よくたんぱく質を摂れます。まさばは脂質が多く、同量のたんぱく質を摂ろうとすると200kcalを超えます。
いずれも生の状態の数値のため、揚げる・照り焼きなど油や調味料を使う調理では、さらにカロリーが上がる点を頭に入れておきましょう。
乳製品もたんぱく質を含む食品ですが、1食あたりの含有量は製品によって大きく異なります。可食部100g当たりの数値を以下にまとめました。
| 食品名 | エネルギー(kcal) | たんぱく質(g) | 脂質(g) |
|---|---|---|---|
| 普通牛乳(100ml) | 67 | 3.3 | 3.8 |
| 全脂無糖ヨーグルト(100g) | 62 | 3.6 | 3.0 |
| カッテージチーズ(100g) | 105 | 13.3 | 4.5 |
| カマンベールチーズ(100g) | 310 | 19.1 | 24.7 |
| プロセスチーズ(100g) | 339 | 22.7 | 26.0 |
牛乳や無糖ヨーグルトは1食あたりのたんぱく質量が少なく、プロテイン1杯分(約20g)を補おうとすると量がかなり多くなります。普通牛乳でたんぱく質20gを摂るには約600ml必要で、カロリーは約400kcalになります。
カマンベールやプロセスチーズはたんぱく質の割合が比較的高めですが、脂質も多いためカロリーが上がりやすく、摂取量には注意が必要です。
プロテインを飲んでいるのに意図せず体重が増えてきた、と感じたことはありませんか。プロテインそのものが太る原因になるわけではなく、飲み方や生活習慣との組み合わせによって、結果的にカロリーが余ってしまうケースがほとんどです。
プロテインを飲むことで太る原因には、以下の3つがあります。
それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。
プロテインを飲んで体重が増える場合、原因はプロテイン自体ではなく、1日の総摂取カロリーが消費カロリーを上回っていることがほとんどです。たんぱく質を意識して摂っていても、同時に脂質の多い食品を食べていると、カロリーオーバーになりやすくなります。
とくに、以下のような食品は脂質が多く、気づかないうちにカロリーが積み重なりやすいので注意しましょう。
プロテインを取り入れる前に、まず普段の食事全体を振り返ってみましょう。
運動量が少ない状態でプロテインを飲み続けると、消費しきれないカロリーが蓄積されていきます。たとえば、体重50kgの人が30分ウォーキングをした場合、消費カロリーは約75kcal程度です。プロテイン1杯がおよそ100〜115kcalであることを考えると、運動で消費した分がほぼ相殺される計算になります。
日頃あまりカラダを動かさない方がプロテインを食事に加える場合は、1日全体の摂取カロリーが過剰とならないよう、食事の内容と合わせて確認しておきましょう。
プロテインを飲んで太る原因のひとつに、タイミングのミスマッチがあります。三食しっかり食べた後にプロテインをプラスすると、その分がそのままカロリーの上乗せになります。プロテインは食事の補助として使うものなので、間食に食べていた菓子パンや甘いものと置き換えるなどが自然な使い方です。
また、運動をしていない日に惰性で飲み続けるのも、カロリーオーバーの一因になります。1日の食事全体を見渡しながら、飲むタイミングと量を調整しましょう。
プロテインはそのままでもカロリーが抑えられた食品ですが、割り方やタイミング次第でさらにカロリーを調整できます。
カロリーを抑えるプロテインの飲み方には、以下の3つがあります。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
プロテインを水で割ると、カロリーをパウダー分だけに抑えられます。1杯あたりの目安は約100〜115kcalです。一方、普通牛乳(200ml)で割ると牛乳だけで約130kcal前後が加わり、合計で230〜240kcal程度になります。毎日飲む習慣があるなら、この差は積み重なるとカロリーオーバーにつながることがあります。
味や飲みやすさを優先したい場合は牛乳も選択肢ですが、カロリーを抑えたいときはまず水割りから試してみましょう。
水では物足りなさを感じる場合、無脂肪牛乳で割るのもひとつの方法です。普通牛乳(200ml)は約130kcalあるのに対し、無脂肪牛乳(200ml)は約70kcal程度に抑えられます。
さらに、無脂肪牛乳200mlにはたんぱく質が約7g含まれているため、プロテインと合わせると1杯あたりのたんぱく質量を増やせます。風味やコクが欲しいときは、水の代わりに無脂肪牛乳を選んでみましょう。
プロテインは飲むタイミングを工夫することで、カロリーを抑えやすくなります。たとえば、間食の代わりにプロテインを取り入れると、菓子パン(1個300〜400kcal前後)と比べてプロテイン1杯約100〜115kcalと大きな差があります。
運動後や就寝前など、目的に合わせてタイミングを決めることも大切です。いつ飲むかを意識するだけで、1日のカロリーバランスが整いやすくなるので、自分の生活リズムに合ったタイミングを探してみましょう。
プロテインはカロリーだけでなく、成分の内訳によってカラダへの働き方が変わります。低カロリーなプロテインの選び方には、以下の3つがあります。
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
プロテインを選ぶ際は、まず1食あたりのたんぱく質量を確認しましょう。パッケージ裏の栄養成分表示に記載されている「1食分の重量」に対して、たんぱく質がどれだけ含まれているかが判断の目安になります。
同じ1杯でも製品によってたんぱく質量に差があり、糖質や脂質が多めに配合されているものはカロリーも上がります。含有量が多いほどカロリーあたりに対して効率よくたんぱく質を摂取できるため、購入前に成分表示を見比べる習慣をつけておきましょう。
プロテインを選ぶ際は、糖質と脂質の量にも目を向けてみましょう。脂質は1gあたり9kcalと、たんぱく質や炭水化物(各4kcal)に比べてカロリーが高いため、脂質が多い製品は1杯あたりのカロリーも高くなる傾向にあります。
WPI(ホエイプロテインアイソレート)と表記された製品は、製造過程で大部分の脂質や乳糖が取り除かれており、低脂質・低糖な点が特徴です。フレーバーが甘い製品は糖質が多めのものもあるため、購入前に栄養成分表示で糖質・脂質の量を確認しましょう。
ソイプロテインは大豆から油分を取り除いて作られており、ホエイ製品と比べて脂質が少ないことがあります。カロリーは1杯75〜110kcalと幅がありますが、これはフレーバーなどの副原料の種類・量や、1杯あたりのたんぱく質量が製品によって異なるためです。
動物性食品を控えている方や、植物性たんぱく質を取り入れたい方にとって、選びやすい種類といえます。購入前には成分表示で糖質・脂質の量を確認しましょう。
プロテイン1杯のカロリーは一般的にホエイで約100〜115kcal、カゼインで約90〜105kcal、ソイで約75〜110kcalと、製品によって異なります。大切なのはむやみに食事に足すのではなく、自身の食習慣や運動習慣と照らし合わせてたんぱく質が不足しがちなシーンで摂取することです。
水や無脂肪牛乳で割ることで余分なカロリーを抑えられ、飲むタイミングと量を意識するだけで1日全体のカロリー管理がしやすくなります。成分表を確認しながら、自分の食生活に合った取り入れ方を見つけましょう。