
東郷克彦
薬学博士・MBA・薬剤師免許保持。
岡山大学大学院修了後、製薬会社で薬物動態研究に従事し、ヒト細胞研究を推進。大阪大学大学院にて薬物代謝酵素の遺伝子変異研究で博士号取得。
研究と経営の融合に挑み、科学の成果を社会価値へつなげることに情熱を注ぐ。
座右の銘は「情けは人の為ならず」。
プロテインは「体に悪い」と言われることがありますが、実際は飲み方や摂取量による影響が大きく、適切に活用すれば日常のたんぱく質補給に役立つ食品です。
インターネット上では極端な情報も多く、「腎臓に悪いのでは?」「太るのでは?」と不安を感じる人も少なくありません。一方で、食事だけでは不足しやすいたんぱく質を手軽に補いやすく、忙しい人や運動習慣がある人にとって便利な選択肢でもあります。
本記事では、プロテインが体に悪いと言われる理由から、飲みすぎによるデメリット、体への負担を抑える飲み方までをわかりやすく解説します。

東郷克彦
薬学博士・MBA・薬剤師免許保持。
岡山大学大学院修了後、製薬会社で薬物動態研究に従事し、ヒト細胞研究を推進。大阪大学大学院にて薬物代謝酵素の遺伝子変異研究で博士号取得。
研究と経営の融合に挑み、科学の成果を社会価値へつなげることに情熱を注ぐ。
座右の銘は「情けは人の為ならず」。
プロテインはあくまで食事を補うための食品であり、適切に取り入れれば日常の栄養補給に役立ちます。
それでも体に悪いと言われる背景には、摂取量や製品の選び方、体の状態に合っていない使い方が関係しています。
主な理由は次のとおりです。
ここでは、そうした不安の原因となる主な理由を解説します。
プロテインに対して不安を感じる理由として、たんぱく質の摂りすぎが主な要因の1つです。
食事に加えて大量にプロテインを取り入れると、使い切れなかったたんぱく質を体内で処理する必要があるため、負担につながる可能性があります。
また、余ったエネルギーは体脂肪として蓄積されることもあるため、摂取量によっては体重増加につながるケースもあります。プロテインは多く飲むほどよいわけではなく、あくまで不足分を補う目的で活用することが大切です。
腎臓や肝臓の状態に不安がある場合は、プロテインの摂取量について慎重に考えることが大切です。
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、健康な成人の場合、たんぱく質の推奨量は18〜64歳で男性65g、女性50g/日とされていますが、体調や既往歴によって適切な摂取量は異なります。
また、筋肉量や運動習慣の違いによって、健康診断の数値に変化が見られる場合もあります。
日頃の体調や検査結果を確認しながら、無理のない範囲で取り入れることが重要です。
必要に応じて、医師や専門家に相談することも検討しましょう。
プロテイン製品に含まれる添加物について、使用状況を気にされる方もいます。
甘味料や香料などの原料については、製品によって体質との相性が異なり、飲用後に違和感を感じる場合もあります。
そのため、気になる場合は成分表示を確認し、自分に合うものを選ぶことが大切です。
こうした点が、プロテインに対してさまざまな印象を持たれる背景のひとつとなっていると考えられます。
インターネット上では、プロテインに関する極端な情報が広がることがあります。例えば、特定の疾患を持つ人向けのたんぱく質制限の話が、健康な人にも当てはまるように受け取られているケースなどです。
また、成長期の子どもに関する根拠が明確でない噂なども見られます。本来、たんぱく質は筋肉だけでなく、髪や爪、肌などを構成する重要な栄養素です。
情報を見る際は、誰を対象にした内容なのかを確認しながら判断してください。
プロテインは、日常の食事を補助する食品として活用しやすい点が特徴です。目的や生活スタイルに合わせて取り入れることで、効率よく栄養補給を行いやすくなります。
主なメリットは次のとおりです。
上記4つのメリットについて見ていきましょう。
日常の食事だけでは、必要なたんぱく質量を満たしきれない場合があります。一般的に、1日のたんぱく質摂取量は18~64歳では男性65g、女性50gが目安です。
例えば、1枚あたり25gのたんぱく質を含む鶏むね肉で計算した場合、1日あたり2枚が必要になりますが、食事内容によっては不足しやすくなります。
活動量が多い人や食事が偏りやすい人にとって、不足分を手軽に補いやすい点は大きなメリットです。
効率よくたんぱく質を補給しやすい点も、プロテインの特徴です。肉や卵から多く摂ろうとすると、脂質やカロリーも増えやすくなります。
一方で、プロテインパウダーは余分な成分が取り除かれているものも多く、1杯あたり80〜120キロカロリー程度に抑えられています。脂質を控えながら栄養を補給したい場合にも、取り入れやすいです。
短時間で準備しやすい点も、プロテインの魅力です。運動後は栄養を補給したいタイミングとされており、水に溶かすだけで手軽に飲めるプロテインは活用しやすい食品といえます。
また、忙しい朝や食事時間を確保しにくい場面でも、簡単にたんぱく質を補給しやすいため、日常生活に取り入れやすい特徴があります。
たんぱく質は筋肉だけでなく、髪や爪、肌、血管など全身の材料として使われる栄養素です。不足すると、体のコンディションに影響が出ることがあります。
プロテインを活用することで、こうした材料を継続的に補いやすくなります
プロテインは便利な食品ですが、過剰に摂取すると体への負担につながる可能性があります。適量を意識しながら取り入れることが重要です。主な注意点は次のとおりです。
ここでは、プロテインの飲みすぎで起こりやすいデメリットを解説します。
プロテインは比較的取り入れやすい食品ですが、食事に追加して飲むことで総摂取カロリーが増える場合があります。
また、牛乳やジュースで割ることで摂取カロリーが増えるケースもあるため、飲み方によってはエネルギー過多につながる可能性があります。食事全体とのバランスを見ながら調整することが大切です。
一度に大量に摂取すると、消化しきれなかったたんぱく質が腸内で分解され、お腹の張りやガスの発生につながる場合があります。
また、乳糖を分解しにくい体質の人では、下痢などの不調が出るケースもあります。こうした負担を抑えるためには、1回量を減らし、複数回に分けて摂取する方法が現実的です。
体質やプロテインの種類によっては、肌のコンディションに影響が出る場合があります。特に牛乳由来のプロテインは、人によって合わないケースもあります。
肌の変化を感じた場合は、種類を変更するなど、自分に合った製品を選ぶことが大切です。
プロテインは、必要量を意識しながら適切に取り入れることで、無理なく活用しやすくなります。主な飲み方は次のとおりです。
ここでは、体への負担を考えた飲み方を紹介します。
まずは、自分に必要なたんぱく質量を把握することが重要です。一般的な成人では、体重1kgあたり約1gが目安とされています。運動習慣がある場合は、活動量に応じて必要量が増えることがあります。
必要量を大きく超えて摂取し続けると、負担につながる可能性もあるため、目安を参考に調整することが大切です。
プロテインは、食事で不足する分を補う目的で活用することが基本です。まずは日々の食事内容を確認し、不足分を補う形で取り入れることで、栄養バランスを整えやすくなります。
目標量だけを意識して大量に追加するのではなく、食事全体との兼ね合いを考えながら調整することが重要です。
1度に大量に飲むよりも、回数を分けて摂取するほうが消化の負担を抑えやすくなります。
大量摂取はお腹の張りなどにつながる場合もあるため、自分の体調を確認しながら無理のない量で取り入れることが大切です。
プロテインを取り入れる際は、水分補給も意識したいポイントです。たんぱく質の代謝で生じた老廃物は尿として排出されるため、水分不足の状態では負担につながる可能性があります。
こまめに水分補給を行いながら、体調に合わせて取り入れることが重要です。
継続して取り入れるためには、成分表示を確認しながら商品を選ぶことも大切です。原料の種類によって特徴が異なるため、自分の体質や目的に合った製品を選びやすくなります。
また、原材料や認証マークなどを確認することで、品質を判断する際の参考にもなります。
プロテインに対して不安を感じる人もいますが、適切な量を意識して取り入れることが基本です。ここでは、よくある疑問について回答します。
健康な成人であれば、適量の範囲内で毎日取り入れても問題ないとされています。
ただし、食事だけで十分なたんぱく質を摂取できている場合に追加で飲むと、摂りすぎにつながる可能性があります。食事内容や活動量に合わせて調整することが大切です。
運動習慣がない場合でも、たんぱく質が不足している場合には補助として活用できます。特に朝食ではたんぱく質が不足しやすいケースもあるため、不足分を補う目的で取り入れる方法は現実的です。
ただし、必要以上に追加すると摂りすぎにつながる場合があるため、食事全体とのバランスを意識することが重要です。
女性やダイエット中でも、たんぱく質補給の1つとして取り入れられます。
食事制限によってたんぱく質が不足すると、栄養バランスが偏る場合があります。プロテインは、間食や食事内容を調整しながら取り入れやすい点が特徴です。
ただし、飲み方によってはカロリー過多につながる場合もあるため、全体の食事バランスを見ながら活用することが大切です。
プロテインは、適切な量を意識しながら取り入れることで、食事だけでは不足しやすいたんぱく質を補いやすい食品です。「体に悪い」と言われる背景には、飲みすぎや誤った情報、体質に合わない製品選びなどが関係しています。
必要以上に摂取するとカロリー過多やお腹の不調につながる場合もあるため、多く飲めばよいという考え方ではなく、食事とのバランスを考えながら活用することが大切です。
プロテインはあくまで栄養補助として活用し、毎日の食事や生活習慣全体を整えながら、無理のない範囲で取り入れていきましょう。