
東郷克彦
薬学博士・MBA・薬剤師免許保持。
岡山大学大学院修了後、製薬会社で薬物動態研究に従事し、ヒト細胞研究を推進。大阪大学大学院にて薬物代謝酵素の遺伝子変異研究で博士号取得。
研究と経営の融合に挑み、科学の成果を社会価値へつなげることに情熱を注ぐ。
座右の銘は「情けは人の為ならず」。
「プロテインとたんぱく質は同じものなのか、それとも違うのか」と疑問に思ったことはありませんか。実は「プロテイン」は英語でたんぱく質を意味する言葉ですが、日本では主にたんぱく質を補うためのサプリメントを指すことが多いです。
プロテインはその補給を手軽にサポートする食品として、筋トレをしている方だけでなく、幅広い方に活用されています。
本記事では、プロテインとたんぱく質の違いや役割、種類ごとの特徴、プロテインからたんぱく質を摂取するメリット・デメリット、選び方まで詳しく解説します。

東郷克彦
薬学博士・MBA・薬剤師免許保持。
岡山大学大学院修了後、製薬会社で薬物動態研究に従事し、ヒト細胞研究を推進。大阪大学大学院にて薬物代謝酵素の遺伝子変異研究で博士号取得。
研究と経営の融合に挑み、科学の成果を社会価値へつなげることに情熱を注ぐ。
座右の銘は「情けは人の為ならず」。
プロテインとたんぱく質は、言葉としては同じ意味を持ちますが、日本では意味合いが異なります。たんぱく質はカラダに欠かせない栄養素で、食事やプロテインから補えます。
「プロテイン」と「たんぱく質」の違いを理解するうえで、まずはたんぱく質そのものについて知っておきましょう。
それぞれの内容を押さえることで、プロテインをより効果的に活用できるようになります。
たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、毛髪など、からだを構成する栄養素のひとつです。
また、体内で働く酵素や一部のホルモン、体を守る仕組みに関わる成分にも含まれていることが知られています。
これらの成分は、体内で日々作られたり分解されたりを繰り返しているため、食事を通じて継続的にたんぱく質を摂取することが大切です。
食事内容が偏ると、栄養バランスが崩れることもあるため、日頃からたんぱく質を含む食品をバランスよく取り入れることを意識しましょう。
たんぱく質を含む食事を考える際は、ビタミン類との組み合わせにも注目することが大切です。なかでもビタミンB6は、たんぱく質を含む栄養素の利用に関わるビタミンとして知られています。
市販されているビタミン類のなかには、栄養機能食品として表示されているものもあります。
消費者庁の基準では、ビタミンB6について「たんぱく質からのエネルギーの産生と、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素」とされています。
ビタミンB6は、カツオやマグロなどの魚類、バナナなど身近な食品にも含まれています。そのため、まずは日々の食事から意識して取り入れることが基本です。
食事だけで十分に摂取することが難しい場合は、ビタミン類を配合したプロテインを選ぶなど、栄養バランスを整える方法のひとつとして検討することもできます。
プロテインには、原料となる食品によってさまざまな種類があります。市販のプロテインには、以下の3種類が多く使われています。
それぞれ吸収速度や特徴が異なるため、目的や生活スタイルに合ったものを選びましょう。
ホエイプロテインは、チーズを作る際に生まれる乳清(ホエイ)を原料とした動物性のたんぱく質です。吸収スピードが速く、運動後の補給に向いています。
また、必須アミノ酸の1種であるロイシンを豊富に含んでおり、たんぱく質を日常的に補いたい方に選ばれやすい種類です。9種類すべての必須アミノ酸を含むため、アミノ酸スコアが高い点も特徴です。
ホエイプロテインについてより知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
ホエイプロテインとは?特徴や役割、おすすめの摂取タイミングも解説
カゼインプロテインは、牛乳由来のたんぱく質で、胃の中でゆっくりと固まる点が特徴です。胃酸と反応して固形物になり、約7〜8時間かけて少しずつ吸収されます。このゆっくりとした吸収のおかげで、血中アミノ酸濃度が長時間にわたって穏やかに維持されます。
そのため、夜間など食事の間隔が長くなる場面で活用しやすく、腹持ちがよいのも魅力です。ホエイが速攻型なら、カゼインはじっくり型といえるでしょう。
ソイプロテインは、大豆を原料とした植物性たんぱく質です。大豆特有の豆乳のような風味があり、摂取後は約5~6時間ほどかけてゆっくり吸収されるため腹持ちがよいことが特徴です。特にダイエッターや女性に人気が高いです。
ソイプロテインについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
プロテインを活用すれば、日々の食事だけでは補いにくいたんぱく質を手軽に摂ることができます。プロテインには、以下のようなメリットがあります。
それぞれ詳しく解説します。
たんぱく質20gを食事で用意しようとすると、鶏肉を焼いたり卵を茹でたりと、どうしても調理時間がかかります。一方、粉末プロテインならシェイカーに水を入れて混ぜるだけで、1分もあれば準備が終わります。
朝食を抜きがちな方や、帰宅が遅くて夕食が遅くなる方にとって、時間をかけずにたんぱく質を補える点はメリットといえるでしょう。ただし、食事の置き換えではなく、あくまで不足した分を補うことが大切です。
たんぱく質を食品だけで補おうとすると、脂質や糖質も一緒に増えやすくなります。たとえば、納豆で20gのたんぱく質を摂る場合、約238kcalになり、脂質も10g以上とることになります。
プロテインパウダーはたんぱく質20g当たり75〜115kcal程度に抑えられた製品が多く、脂質も1g前後のものが主流です。菓子パンやスナック菓子で空腹をしのぐよりも、プロテインに置き換えることで脂質の摂りすぎを防ぎやすくなります。
外出先や移動中は、食事からたんぱく質を摂取することが難しい場面もあります。そのような場合に、手軽に持ち運べるプロテインを活用する方法があります。
粉末タイプを小分け容器で持ち歩いたり、コンビニでドリンクタイプを手に取ったりすれば、デスクワークの合間やジム帰りでもすぐに補給できます。食事だけでは補いにくいタイミングをカバーできるのが、プロテインならではの使い勝手のよさです。
プロテインは手軽にたんぱく質を補える反面、使い方を誤ると逆効果になることもあります。利用する前に、以下のデメリットも把握しておきましょう。
なお、プロテインを飲むことで起こるデメリットは、以下の記事で解説しているため、あわせて参考にしてみてください。
プロテインを飲むことで起こるデメリットとは?男女別や種類別に解説
プロテインはたんぱく質を効率よく摂れる反面、肉や魚に含まれるビタミン・ミネラル・食物繊維まで十分に含むとは限りません。食事の一部をプロテインだけで置き換える生活が続くと、栄養バランスが偏り、体調に影響が出ることがあります。
プロテインはあくまで食事で不足した分を補う補助食品として位置づけ、毎日の食事を整えたうえで活用しましょう。
たんぱく質は1gあたり4kcalのエネルギーを持つため、食事量を変えずにプロテインを追加し続けると、消費カロリーを超えてしまう場合があります。
また、たんぱく質を大量に摂ると、代謝の過程で生じる老廃物を処理するために肝臓や腎臓への負担が増えることも指摘されています。
そのため、自分の活動量や食事内容に合わせた量を意識して取り入れましょう。
プロテインは商品によって成分や特徴が異なるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。選ぶ際には、以下の3つのポイントを参考にしてみましょう。
それぞれ詳しく解説します。
製品を選ぶときは、パッケージ表面のキャッチコピーより、裏面の成分表に記載されたたんぱく質含有率を確認しましょう。1食あたりの粉末の重さに対して、たんぱく質がどれくらい含まれているかが判断の基準となり、一般的なWPC製品は60~70%前後、WPI製品は90%程度が目安です。
含有率が低い製品は、残りの多くが糖質や添加物で占められている場合があるため、内容をよく確認してから選ぶことをおすすめします。
プロテインは種類によって吸収スピードが異なるため、選ぶ際の判断基準のひとつとして、使用するタイミングを考慮する方法もあります。運動後など素早くたんぱく質を補いたい場面にはホエイ、就寝前や食事の間隔が長くなる日にはカゼインやソイが向いています。
毎日同じ種類に固定するより、目的や生活リズムに合わせて使い分けると、より効率よくたんぱく質を補えるでしょう。
たんぱく質を効率よく補うなら、目的に合った種類を選ぶことが大切です。運動後のたんぱく質補給には、BCAAが豊富なホエイが向いています。牛乳の成分が気になる方は、乳糖や脂質をほぼ取り除いたWPI製品を選ぶと取り入れやすくなります。
また、動物性食品を控えたい方や食事の栄養バランスを意識したい方には、植物性のソイも選択肢のひとつです。成分表をしっかり確認しながら、自分の食生活に合ったものを選びましょう。
プロテインは、あくまで食事で不足したたんぱく質を補う栄養補助食品です。まずは自分の体重や活動量に合った1日の必要量を把握し、毎日の食事を土台にしながら上手に取り入れましょう。
種類によって吸収スピードや特徴が異なるため、使うタイミングや目的に合わせて選ぶと無駄なく活用できます。食事とのバランスを意識しながら、プロテインを日々の習慣に加えてみてください。