
東郷克彦
薬学博士・MBA・薬剤師免許保持。
岡山大学大学院修了後、製薬会社で薬物動態研究に従事し、ヒト細胞研究を推進。大阪大学大学院にて薬物代謝酵素の遺伝子変異研究で博士号取得。
研究と経営の融合に挑み、科学の成果を社会価値へつなげることに情熱を注ぐ。
座右の銘は「情けは人の為ならず」。
筋トレや運動をしている方のなかには、プロテインを飲むタイミングについて悩んでいる方も多いのではないでしょうか。とくに「寝る前にプロテインを飲んでも大丈夫なのか」という疑問を持つ方は少なくありません。
寝る前にプロテインを摂取することで、睡眠中のたんぱく質不足を補ったり、カラダづくりをサポートしたりするメリットがある一方で、カロリー過多などの注意点も存在します。
本記事では、寝る前のプロテイン摂取について、メリットから飲み方の注意点、適したプロテインの選び方まで詳しく解説します。

東郷克彦
薬学博士・MBA・薬剤師免許保持。
岡山大学大学院修了後、製薬会社で薬物動態研究に従事し、ヒト細胞研究を推進。大阪大学大学院にて薬物代謝酵素の遺伝子変異研究で博士号取得。
研究と経営の融合に挑み、科学の成果を社会価値へつなげることに情熱を注ぐ。
座右の銘は「情けは人の為ならず」。
結論からいえば、寝る前にプロテインを飲むことは基本的に問題ありません。むしろ、適切に摂取することで、健康維持やカラダづくりにおすすめです。
夕食から朝食まで長時間にわたって栄養補給ができないため、睡眠中は血中のアミノ酸が減減少し、カラダがエネルギーを確保しようと筋肉(たんぱく質)を分解してしまう可能性があります。
そのため、寝る前にプロテインを摂取することで、睡眠中もカラダにたんぱく質(アミノ酸)を供給し続け、結果として血中のアミノ酸の減少を抑制することができます。
また、寝る前にプロテインを摂取したとしても翌日の代謝や食欲には影響しないとの報告もありますので、1日のたんぱく質摂取量の総量を高めたい増量期のアスリートや高齢者の方にとって、効果的な摂取方法となる可能性があります。
寝る前にプロテインを摂取することで、以下のようなさまざまなメリットが得られます。
それぞれのメリットを見ていきましょう。
睡眠中は食事ができないため、夕食から朝食まで長時間にわたって栄養が補給されない状態が続きます。このような空腹状態が続くと、カラダが必要なエネルギーを確保するために筋肉を分解してしまう可能性があるのです。
寝る前にプロテインを摂取することで、睡眠中も継続的にたんぱく質を補給できます。 とくに夕食が早い時間帯の方や、日中に十分なたんぱく質を摂取できなかった日におすすめです。
カラダづくりを進めたい方は、寝る前のプロテインを積極的に活用してみましょう。
睡眠中は成長ホルモンの分泌が活発になり、カラダづくりに大切な時間となります。
寝る前にプロテインを摂取することで、睡眠時に必要なたんぱく質を供給でき、効率的なカラダづくりをサポートできる点がメリットです。
たんぱく質は筋肉の構成成分として欠かせない栄養素であり、とくにトレーニングや運動をした日の夜には摂取をおすすめします。
運動後は栄養補給と休息をしっかり取ることが大切なので、効率よくカラダづくりを行いたい方は寝る前のプロテインを取り入れてみるとよいでしょう。
ダイエット中や減量中には、夜間の空腹感に悩まされることも少なくありません。
夜中にお腹が空いてしまい、ついスナック菓子やカップラーメンに手を伸ばして後悔した経験がある方も多いのではないでしょうか。
たんぱく質は消化に時間がかかるため、少量でも満腹感が得られやすく、腹持ちがよい点がメリットです。 また、プロテインは低カロリーでたんぱく質を補給できるため、夜間の空腹対策として優れた選択肢といえるでしょう。
そのため、空腹で眠れない方は、寝る前にプロテインを活用してみることもおすすめです。
高齢者や食の細いアスリートなどの中には、食事や運動前後などのタイミングでプロテインを摂取すると食事量が減ってしまうため1日あたりのたんぱく質の摂取量を思うように増やせない、という悩みを持つ方がいると思います。
睡眠前のプロテイン(カゼイン)摂取は、翌日の代謝や食欲に影響を及ぼさないとする報告がなされており、1日の摂取たん白質の総量を高める効果的な手段となる可能性があります。
寝る前にプロテインを摂取することには多くのメリットがある一方で、飲み方やタイミングには注意する必要があります。
以下では、寝る前のプロテイン摂取で注意すべき点について見ていきましょう。
プロテインは1食あたり70〜180kcal程度のカロリーが含まれており、普段の食事に加えて寝る前にプロテインを飲むと、1日の総摂取カロリーが増える可能性があります。
エネルギー摂取量が消費量を上回ると、エネルギー収支バランスがプラスとなり、体重が増加してしまいますので、 運動量が少ない方や、すでに1日の食事でカロリーを十分摂取している方は注意が必要です。
プロテインを摂取する場合は、食事内容を見直してカロリーバランスを調整するか、運動量を増やして消費カロリーを上げることを心がけましょう。
プロテインは水や牛乳に溶かして飲むため、固形物よりは消化しやすいものの、たんぱく質や栄養素を含んでいることに変わりはありません。
就寝直前に摂取すると、休もうとしている胃や腸に負担をかけてしまう可能性があります。
プロテインを摂取する場合は就寝直前を避け、寝る 30分〜1時間前には飲み終えるようにしましょう。
寝る前にプロテインを飲むときは、飲み方やタイミングに工夫が必要です。
それぞれのポイントを見ていきましょう。
胃腸への負担を考慮し、就寝直前のプロテイン摂取は避け、30分から1時間前には飲み終えるようにしましょう。
プロテインも栄養素を含む飲み物であるため、就寝直前ではなく、余裕を持ったタイミングで摂取することが大切です。
寝る前にプロテインを摂取する場合は、水で割ることでカロリーを抑えられます。
牛乳で割ると100mlあたり約61kcalが追加されますが、 水割りならこの分をカットでき、寝る前のエネルギー摂取を控えることが可能です。
ただし、牛乳中の主要たんぱく質であるカゼインは吸収がゆっくりで長時間にわたりアミノ酸を供給できるというメリットもあるため、少しでもたんぱく質を多く摂取したい方は、牛乳で割ることも選択肢となります。
寝る前にプロテインを摂る場合は、脂質が高いプロテインバーは避けるのが無難です。
プロテインバーは手軽で便利ですが、商品によっては脂質が多く含まれています。
夜遅い時間に脂質の多いものを食べると、胃腸に負担がかかりやすくなります。 寝る前には、水で割った液体プロテインの方が消化やカロリー量の観点からおすすめです。
寝る前にプロテインを飲む場合は、商品選びにもちょっとした工夫が必要です。以下では、寝る前に飲むプロテイン選びのポイントを解説します。
自分の体調や好みに合わせて、続けやすいプロテインを見つけてみてください。
寝る前にプロテインを飲むなら、吸収がゆっくりな「カゼインプロテイン」または「ソイプロテイン」を選ぶのがおすすめです。
プロテインの種類によって吸収時間が異なり、寝る前には吸収が穏やかなタイプが向いているとされています。
| プロテインの種類 | 吸収時間 |
|---|---|
| ホエイプロテイン | 早め |
| カゼインプロテイン | 穏やか |
| ソイプロテイン | 穏やか |
カゼインやソイプロテインは、睡眠中も長時間にわたってアミノ酸が供給され続け、カラダづくりをサポートしてくれます。
また、吸収が穏やかなので、夜中の空腹感解消が期待できる点もうれしいポイントです。
カゼインやソイプロテインが手元にない場合は、ホエイプロテインでも問題ありません。ホエイは吸収が早めですが、カゼインやソイプロテインと同様に、寝る前に摂取してもカラダづくりのサポートになります。
カゼインやソイに比べて吸収が早い分、睡眠中のアミノ酸供給時間は短くなりますが、自分のカラダにあった継続摂取できるプロテインを選ぶことが一番重要です。
寝る前にプロテインを飲む場合は、低カロリー・低脂質のものを選ぶようにしましょう。
寝る前は活動量が少なくエネルギーを消費しにくい時間帯なので、高カロリーなプロテインを飲むと、余分なエネルギーとしてカラダに蓄積されやすくなります。
商品を購入する際は、パッケージ裏面の栄養成分表示をチェックして、カロリーや脂質の量を確認してみましょう。
寝る前には、夜でもさっぱり飲める味を選ぶことも大切です。
寝る前はリラックスして心地よく眠りにつきたい時間なので、甘すぎたり濃厚すぎたりする味は、喉に残って飲みにくく感じることがあります。
そのため、後味がすっきりとした、さっぱり系のフレーバーがおすすめです。たとえば、爽やかなフルーツ系やシンプルなプレーン味などが夜でも飲みやすいでしょう。
味の好みは人それぞれですが、寝る前のプロテイン摂取を習慣化するためには、自分が「美味しい」「飲みやすい」と感じる味を見つけることをおすすめします。
寝る前のプロテイン摂取は、タイミングや選び方、飲み方のポイントを押さえることで、睡眠の質を保ちながらカラダづくりをサポートできます。
就寝の30分~1時間前を目安に、自分に合ったプロテインを選び、水で割ってカロリーを抑えるのがおすすめです。
自分の体調やライフスタイルに合わせて、無理なく続けられるプロテインを見つけてみましょう。