
東郷克彦
薬学博士・MBA・薬剤師免許保持。
岡山大学大学院修了後、製薬会社で薬物動態研究に従事し、ヒト細胞研究を推進。大阪大学大学院にて薬物代謝酵素の遺伝子変異研究で博士号取得。
研究と経営の融合に挑み、科学の成果を社会価値へつなげることに情熱を注ぐ。
座右の銘は「情けは人の為ならず」。
「運動前にプロテインを飲むべきか」「それとも運動後がよいのか」と悩んだことがある人は多いでしょう。
結論からいうと、運動前・運動後のどちらで飲むべきかは、目的やトレーニング内容によって異なります。運動前の摂取にはメリットがある一方で、タイミングによってはデメリットになることもあります。
本記事では、運動前にプロテインを摂取するメリットや、適切なタイミング、注意点を詳しく解説します。目的に合わせて適切なタイミングを知りたい方は、最後までご覧ください。

東郷克彦
薬学博士・MBA・薬剤師免許保持。
岡山大学大学院修了後、製薬会社で薬物動態研究に従事し、ヒト細胞研究を推進。大阪大学大学院にて薬物代謝酵素の遺伝子変異研究で博士号取得。
研究と経営の融合に挑み、科学の成果を社会価値へつなげることに情熱を注ぐ。
座右の銘は「情けは人の為ならず」。
プロテインの摂取タイミングは「運動後」と思われがちですが、実際には運動前と運動後どちらで摂取しても間違いではありません。ただし、食事の摂取状況、運動の種類や目的によって適したタイミングが異なることがあります。
たとえば、筋肉に負荷をかけるトレーニングをしていて、運動後から食事まで時間が空く場合は、食事までのつなぎとして、運動直後(目安として45分以内)にプロテインを摂取することが推奨されています。
一方、長時間のランニングやサイクリングなどの持久系運動では、運動中にエネルギーやアミノ酸が消費されやすいため、運動前または運動中の補給が推奨されることもあります。
どちらが正解というわけではなく、自分のトレーニング内容や生活スタイルに合わせてタイミングを選ぶことが大切です。
運動前にプロテインを摂取することで、トレーニングをより効率よくサポートできる場合があります。主なメリットは、以下の3つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
運動前にプロテインを摂取しておくと、運動中に消費されやすいアミノ酸を事前に補給でき、アミノ酸不足を防ぎやすくなります。
とくに、長時間のトレーニングや持久系の運動では栄養が不足しやすく、運動前に何をどのくらい食べるかを意識することが多いため、その一例としてプロテインが選ばれることがあります。
プロテインには体内で作ることができない必須アミノ酸が含まれており、運動前に摂取しておくことで、運動中に消費されるアミノ酸をあらかじめ補給できます。
食事からアミノ酸を摂ろうとすると、消化や吸収に3〜4時間程度かかるとされていますが、プロテインは種類によってはそれよりも速く吸収されるため、運動のタイミングに合わせた補給がしやすくなります。
忙しい日でも手軽にアミノ酸を補給できる点が、プロテインを運動前に活用するメリットのひとつです。
仕事や予定が詰まっていて、運動前にしっかり食事を取る時間がない時にプロテインは手軽に活用できます。
固形の食事と比べて消化にかかる負担が少なく、短時間でたんぱく質を補給できるのがプロテインのよい点です。
ただし、プロテインはあくまで食事の補助として活用するものです。食事が取れる状況であれば、バランスのよい食事を基本にするよう心がけましょう。
運動前のプロテイン摂取にはメリットがある一方、タイミングや量によってはデメリットになることもあります。主なデメリットは、以下の2つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
プロテインは消化・吸収に時間がかかるため、摂取のタイミングによっては運動前にお腹が重く感じることがあります。とくに、運動直前に飲んだ場合、消化が追いつかず胃腸に負担がかかりやすくなります。
特にカゼインプロテインやソイプロテインはホエイプロテインより消化に時間がかかるため、運動前に摂取する場合は量やタイミングに配慮するとよいでしょう。
運動直前にプロテインを摂取すると、消化や吸収の途中でトレーニングを始めることになるため、胃腸に負担がかかりやすくなります。その結果、動きにくさや息苦しさを感じるなど、トレーニングに集中しにくくなる場合があります。
せっかくトレーニングの時間を確保しても、不快感でパフォーマンスが落ちてしまっては本末転倒です。そのため、運動前にプロテインを取り入れる場合は、タイミングにも気を配るようにしましょう。
運動前のプロテイン摂取がおすすめな人は、以下のとおりです。
一方、運動前にしっかり食性が取れている場合は、無理にプロテインを追加する必要はありません。自分の食事状況やトレーニング内容に合わせて判断しましょう。
運動前にプロテインを摂る場合は、運動開始の1時間前を目安にするのがおすすめです。運動直前に飲んでしまうと消化が追いつかず、お腹の不快感につながることがあります。
そのため、1時間程度の余裕をもつことで、消化や吸収が進んだ状態でトレーニングに臨みやすくなるでしょう。
また、空腹のまま運動するのが心配な場合は、運動開始の1時間前を目安に摂取すると、胃腸への負担を抑えながらたんぱく質を補給できます。運動の種類や体調によっても異なるため、自分の体の状態を確認しながら調整しましょう。
プロテインを飲むタイミングについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
プロテインを飲むタイミングはいつがベスト?目的別におすすめの飲み方を徹底解説
運動前にプロテインを取り入れる場合、飲み方を間違えると体に余分な負担をかけることがあります。注意点は、以下の2つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
プロテインの摂取量は、運動量や体格、食事から摂れているたんぱく質量によって変わります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025)」では、成人のたんぱく質推奨量は男性で65g、女性で50g(1日あたり)とされていますが、運動習慣がある人はそれ以上が必要になる場合があります。
プロテインはあくまで食事の補助として活用するものです。運動前に加えて食事からも十分なたんぱく質を摂れている場合、さらにプロテインを追加すると1日の摂取量がオーバーしてしまうことがあります。
たんぱく質を必要以上に摂り続けると、体内での処理に時間がかかり、肝臓や腎臓に負担をかける可能性もあります。
製品に記載された目安量を守り、食事で摂れているたんぱく質量も合わせて確認したうえで、必要な分だけ補うようにしましょう。
プロテインは運動前・運動後どちらで摂取しても間違いではありませんが、目的や運動の種類によって適したタイミングが異なります。運動前に摂る場合は、運動開始の1時間前を目安にして、胃腸への負担を減らしましょう。
また、食事からのたんぱく質量も合わせて確認しながら、必要な分だけ補うことが大切です。
プロテインはあくまで食事の補助として活用するものです。自分のトレーニング内容や体の状態に合わせて、無理なく取り入れていきましょう。