
東郷克彦
薬学博士・MBA・薬剤師免許保持。
岡山大学大学院修了後、製薬会社で薬物動態研究に従事し、ヒト細胞研究を推進。大阪大学大学院にて薬物代謝酵素の遺伝子変異研究で博士号取得。
研究と経営の融合に挑み、科学の成果を社会価値へつなげることに情熱を注ぐ。
座右の銘は「情けは人の為ならず」。
「子どもにプロテインを飲ませても大丈夫なのか」
「成長期に必要とは聞くけれど安全性が不安」
このように悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
結論として、子どものプロテインは食事を基本としたうえで、不足しやすい栄養を補助的に取り入れる目的であれば、プロテインが選択肢となる場合があります。
成長期は骨や筋肉など新しい組織を作るために多くのたんぱく質が必要とされる一方で、過剰摂取や使い方によっては食事バランスが偏る可能性があるため、取り入れる際には注意も必要です。
本記事では、子どもにプロテインを取り入れる際の目安や期待できる役割、選び方や取り入れ方のポイントについて、保護者の方にもわかりやすく解説します。

東郷克彦
薬学博士・MBA・薬剤師免許保持。
岡山大学大学院修了後、製薬会社で薬物動態研究に従事し、ヒト細胞研究を推進。大阪大学大学院にて薬物代謝酵素の遺伝子変異研究で博士号取得。
研究と経営の融合に挑み、科学の成果を社会価値へつなげることに情熱を注ぐ。
座右の銘は「情けは人の為ならず」。
プロテインは、日々の食事を基本としたうえで、不足しやすい栄養を補助的に取り入れる目的であれば、成長期の子どもの栄養補給における選択肢のひとつとなる場合があります。
成長期は、日常生活を送るためのエネルギーに加えて、骨や筋肉などの新しい組織がつくられる時期でもあり、たんぱく質を含むさまざまな栄養素が必要とされます。
そのため、食事量にばらつきがある場合や、食事だけではたんぱく質が不足しやすい場合に、プロテインを適切に取り入れる考え方もあります。
ただし、プロテインだけに頼るのではなく、あくまで毎日の食事を優先する姿勢が大切です。食事だけで不足しがちな栄養を補う手段として、適切に取り入れることが重要です。
成長期の子どもには、大人とは異なる年齢・性別に応じたたんぱく質摂取量の目安が示されています。
厚生労働省が公表している 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」 における、たんぱく質の推奨量(RDA)は以下のとおりです。
年齢別・性別 たんぱく質推奨量(g/日)
| 年齢 | 男性 | 女性 |
| 6~7歳 | 30 | 30 |
| 8~9歳 | 40 | 40 |
| 10~11歳 | 45 | 50 |
| 12~14歳 | 60 | 55 |
| 15~17歳 | 65 | 55 |
| 18~64歳 | 65 | 50 |
| 65歳以上 | 60 | 50 |
※推奨量(RDA):ほとんどの人(約97~98%)が充足すると考えられる摂取量
※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
中でも12〜14歳では、男子で1日60g、女子で55gのたんぱく質摂取が推奨されており、成人に近い水準の量が示されています。
この時期は個人差が大きいものの、体格や活動量が大きく変化しやすいため、日々の食事内容を意識することが大切です。
たとえば部活動などで運動量が多い場合には、上記の目安を参考にしながら、食事量や内容を工夫する必要が出てくるケースもあります。
三食をある程度安定して食べられるようになる小学生以降であれば、食事を基本としつつ、不足しやすい栄養を補う選択肢として、プロテインの活用を検討するとよいでしょう。
ジュニアプロテインは食事の補助を目的として設計されており、大人用とは成分のバランスが異なります。
大人用はたんぱく質の含有率が高い一方で、子ども向けはたんぱく質量を抑えつつ、カルシウムや鉄分など成長期に必要な栄養素が加えられている点が特徴です。
ただし、複数のサプリメントを併用すると栄養の過剰摂取につながる可能性があります。摂りすぎるとカラダに負担をかけるため、製品ごとの成分量を確認しながら適切に選ぶことが大切です。
栄養管理の基本はあくまで食事ですが、食が細い子どもや運動量が多い場合には、プロテインが補助としておすすめです。
運動後は栄養の吸収効率が高まる時間帯とされており、このタイミングで摂取することで効率的な栄養補給につながります。
また、プロテインだけでなく、おにぎりなどの糖質と一緒に摂ることで栄養が体内で利用されやすくなります。牛乳でお腹がゆるくなりやすい場合は、大豆由来のソイプロテインを選ぶなど、体質に合わせた工夫も重要です。
プロテインは、日々の食事を基本としたうえで、不足しやすい栄養を補助的に取り入れる場合の選択肢として活用されることがあります。とくに、運動量が多い子どもにとって、食事内容を整えるための手段としても検討される栄養補助食品のひとつです。
具体的には、次のような場面で選択肢のひとつとして考えられます。
ここでは、保護者の視点から考えたプロテイン活用の考え方について紹介します。
成長期の子どもは、骨や筋肉などの組織がつくられる時期であるため、日々の食事の中でたんぱく質を含む栄養素を意識することが大切です。
食事内容や時間が不規則になりやすい場面では、たんぱく質量を把握しづらくなることもあります。そうした場合に、プロテインを取り入れることで、栄養バランスを見直すきっかけになりやすいという側面があります。
運動後は、カラダのメンテナンスについて考えるタイミングでもあります。運動によって負荷がかかったカラダは、一時的に消耗が進む状態になりますが、ここでたんぱく質を補給することでコンディションを整えやすくなります。
とくに運動後の時間帯は、栄養を取り入れやすい状態になるといわれており、このタイミングでの摂取は良いタイミングのひとつと考えられています。さらに、糖質と一緒に摂ることで、栄養がカラダに取り入れられやすくなります。
ジュニア向けプロテインの中には、カルシウムや鉄など、成長期の栄養を意識した成分が含まれている製品もあります。
これらの栄養素は、日常の食事で十分に摂取できているか確認しにくいため、栄養バランスを見直すきっかけになることがあります。
一方で、鉄など一部の栄養素は過剰摂取につながる可能性があるため、製品ごとの配合量を確認し、目安量を超えないよう注意することが大切です。
食事量が少ない子どもや、特定の食品を避けがちな場合、飲み物として取り入れられるプロテインは、栄養管理を考える際のひとつの方法になります。
また、牛乳でお腹の調子に違和感を覚えやすい場合は、大豆由来のソイプロテインを検討するなど、体質に合わせた選択を行うことも考えられます。
無理に食事量を増やすのではなく、子どもの状態に配慮しながら、食事全体のバランスを整える視点が重要です。
プロテインは、たんぱく質を中心とした栄養を補助的に取り入れるための食品ですが、使い方によっては体調面で気になる点が生じる可能性もあります。
基本は毎日の食事を中心に考え、不足しやすい栄養を補う目的で取り入れることが重要です。
主な注意点は次の3つになります。
ここでは、子どもがプロテインを飲む際に注意しておきたいポイントについて紹介します。
運動量や食事内容に見合わない量のプロテインを継続的に摂取すると、1日のエネルギー摂取量が多くなりやすい場合があります。
特にジュニア向けプロテインの中には、飲みやすさを重視して糖質が多めに配合されている製品もあるため、量や頻度を確認しながら取り入れることが望ましいでしょう。
食事とプロテインを合わせた1日の総摂取量を意識し、製品ごとの摂取目安量を確認しながら過不足がない範囲で取り入れることが大切です。
たんぱく質や特定の栄養素を一時的に多く摂りすぎると、体調面で違和感を覚える場合があります。
また、製品によっては鉄分など特定の栄養素が強化されているものもあるため、複数の栄養強化食品を併用する際には注意が必要です。
成長期の子どもは、からだの機能が発達途中にある段階でもあるため、摂取量や組み合わせを確認しながら取り入れることに、より配慮する姿勢が求められます。
牛乳由来のプロテインは、体質によってお腹の調子に変化を感じることがあります。特に乳糖を含む製品では、体質に合わない場合に違和感が出ることも考えられます。
そのような場合は、乳糖を抑えた製品や大豆由来のソイプロテインを検討するなど、体質に合わせた選び方を行うとよいでしょう。
子どもの様子をよく観察しながら、無理のない範囲で取り入れることが大切です。
子ども用プロテインを選ぶ際は、大人向け製品とは異なる視点が必要です。成長期の子どもは、日常生活を送るためのエネルギーに加え、体の大きさや活動量に応じた栄養バランスを意識する時期でもあります。
そのため、まずは三食の食事を基本としながら、不足しやすい栄養を補助的に取り入れるという考え方で製品を選ぶことが大切です。子どもの体質や運動量に合わせて、無理なく続けやすいものを見極めていきましょう。
主に意識したい点は次の4つになります。
プロテインは原材料によって、吸収のスピードや風味、体質との相性が異なります。
牛乳由来のホエイプロテインは、比較的吸収が早いとされ、運動後の栄養補給に取り入れやすい原料として知られています。一方、大豆由来のソイプロテインは、ゆっくりと吸収される傾向があり、腹持ちを意識したい間食や就寝前の栄養補給に向いているとされています。また、植物性原料であるため、牛乳でお腹の調子に違和感が出やすい場合の代替案として検討されることもあります。
それぞれの特徴を理解したうえで、子どもの体質や生活リズムに合った種類を選びましょう。
プロテインは日常的に取り入れるものだからこそ、甘味料や香料の使用状況にも目を向けることが大切です。
プロテイン製品の中には、飲みやすさを重視して高甘味度甘味料や香料が使用されているものがあります。これらの成分は少量でも強い甘味や風味を感じやすいため、継続的に摂取する場合には、味の感じ方に影響する可能性がある点を考慮する必要があります。
近年、ステビアなどの植物由来甘味料は「自然な素材」として扱われることもありますが、甘味度の高い甘味料を習慣的に摂ること自体については、素材の由来にかかわらず慎重に考える姿勢が重要です。
成長期の子どもにとっては、素材本来の味や、食材がもつ自然な甘み・風味に親しんでいくことも、食事全体を考えるうえで大切な要素のひとつです。
そのため、甘味や香りが過度でない、原材料の味を活かした設計のプロテインを選ぶことが、日常的に取り入れる製品としては望ましいと考えられます。
継続して取り入れるためには、味や飲みやすさも重要なポイントです。どれだけ栄養バランスが優れていても、味が合わなければ続けることが難しくなります。
現在はココアやマスカット、ヨーグルトなどさまざまなフレーバーがあるため、少量から試して子どもの好みに合うものを見つけるとよいでしょう。また、水や牛乳に溶かしたときにダマにならず、スムーズに飲めるかどうかも選ぶ際の基準になります。
無理に飲ませるのではなく、必要性を共有しながら取り入れることが大切です。
ジュニア向けプロテインには、たんぱく質に加えてカルシウムや鉄など、成長期を意識した栄養素が含まれている製品もあります。
これらの栄養素は、日常の食事だけで十分に摂取できているか判断しにくい場合もあるため、配合量を確認することが栄養管理を考える際の参考になります。
一方で、他のサプリメントや栄養強化食品との併用により、特定の栄養素が偏りやすくなる場合もあります。製品ごとの目安量を確認し、食事全体とのバランスを意識することが重要です。
子どもにプロテインを取り入れる際は、目的や生活リズム、食事内容に応じて選ぶ視点が大切です。成長期は体格や活動量に個人差があり、食事を基本としながら、不足しやすい場面を補助的に補うという考え方が基本になります。
主に、以下の3種類があります。
ここでは、目的別に考えた取り入れ方の一例を紹介します。
運動後は、次の食事までの間にどのように栄養をつなぐかを考えるタイミングでもあります。ホエイプロテインは、たんぱく質源のひとつとして食事に組み込みやすいため、広く利用されている原料です。
ホエイプロテインは摂取後は15〜30分程度で血中アミノ酸濃度が上昇し始め、45〜90分でピークに達したのち、2〜3時間ほど高い状態が保たれるとされています。こうした特性から、運動後のタイミングで取り入れる原料のひとつとして知られています。
日常的に運動量が多い子どもにとっては、食事の準備がすぐにできない場面の補助として取り入れられることがあります。摂取量や頻度は一律に決めるのではなく、生活リズムや食事内容に合わせて調整することが大切です。
日々の栄養バランスを整える目的であれば、ソイプロテインがおすすめです。ゆっくりと吸収されるため腹持ちがよく、間食や就寝前の補助としても活用できます。
また、牛乳でお腹がゆるくなりやすい場合でも、大豆由来であれば体質に配慮しながら摂取できます。日常的に無理なく栄養を補いたい場合に適した選択肢です。
食事の時間が取りにくい場面では、プロテインバーがおすすめです。塾の合間や運動前など、手軽に栄養補給ができるため、補食として活用できます。
空腹の状態で活動を始めると体内のエネルギー不足につながるため、簡単に食べられるプロテインバーを取り入れることで、日常の栄養補給をサポートできます。粉末を準備する手間がないため、忙しい生活の中でも取り入れやすい点が特徴です。
子どもの成長段階や生活スタイルに合わせて、まずは無理のない範囲で取り入れることが大切です。体質や好みに合わせて選びながら、継続しやすい形で活用していきましょう。
プロテインは便利な栄養補助ですが、成長期の子どもに使う場合は大人と同じ感覚で取り入れるのではなく、カラダの特性に合わせた配慮が必要です。
安全に活用するためにも、適切なタイミングや量、使い方を理解しましょう。
主に次の3つの注意点は、事前に確認しておくことをおすすめします。
ここでは、子どもにプロテインを飲ませるときの注意点を解説します。
プロテインは、どのタイミングで摂り入れるかによって、食事設計の考え方が変わる場合があります。
とくに運動後は、次の食事までにどのように栄養をつなぐかを考える場面でもあります。
また、朝の食事も栄養を意識するひとつの機会です。朝食でたんぱく質を含む食品が不足しやすい場合に、食事内容を補う選択肢として検討されることもあります。
一方で、就寝直前の摂取は、食後の重さを感じやすい場合もあるため、日中の活動や生活リズムに合わせて摂り入れることが望ましいでしょう
プロテインはあくまで補助的な役割であり、基本は三食の食事から栄養を摂ることが前提です。肉や魚、卵などの食事には、たんぱく質以外にも多くの栄養素が含まれており、これらをバランスよく摂ることが成長期には欠かせません。
プロテインに頼りすぎて食事量が減ってしまうと、必要なエネルギーが不足する可能性があります。まずは日々の食事内容を整え、不足している場合に補う形で活用することが大切です。
安全に摂取するためには、粉末をしっかり溶かしてから飲むことが重要です。ダマが残った状態で飲むと喉に詰まるリスクがあるため、専用の容器などでよく混ぜてから飲ませるようにしましょう。
また、飲用後は容器をすぐに洗い、清潔な状態を保つことも大切です。さらに、たんぱく質の摂取時には十分な水分補給を行うことで、カラダへの負担を軽減しやすくなります。日常的に水分補給とセットで考えることが、安全に活用するポイントです。
成長期の子どもにプロテインを取り入れる際は、正しい知識をもとに活用することが重要です。たんぱく質は多く必要とされる栄養素ですが、食事を基本とし、不足分を補う形で取り入れることが安全な使い方につながります。
体質や生活スタイルに合わせてホエイやソイを選び、過剰摂取にならないよう成分量にも注意しましょう。また、運動後や朝食など適切なタイミングで取り入れることで、効率的な栄養補給がしやすくなります。
無理に摂取させるのではなく、子どもの状態を見ながら継続しやすい形で取り入れましょう。
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